Taste of Love【完】
「飯、早くー!腹減って死にそう」
その変わり身の早さに、風香は驚きと同時に怒りがこみあげてくる。
(アイツ絶対私のこと、からかって遊んでるんだ)
唇を尖らせながらも、出来た料理を盛り付けるとダイニングに運んだ。
一人分の食事を運ぶと「俺ひとりで飯食うの嫌いなんだよ。お前も一緒に食え」と言われてダイニングに一緒に座った。
湯気のあがる食卓をうれしそうに眺めて、手を合わせている大悟の姿をみると、先ほどまでの怒りの感情がおさまっていった。
「おいしいですか?」
次々と皿の上が空になっていく様子を見て、風香は尋ねてみた。
「うまいよ。想像以上」
ニカっと笑われてその笑顔に驚いた。
(そんな顔もできるんじゃない……)
いつものシニカルな表情とは打って変わって、子供のような屈託のない笑顔をむけられて思わず風香が照れてしまい、うつむきひたすら目の前のごはんをかき込んだ。
「あーうまかった。ごちそうさん!」
目の前でパチンと手を合わせた大悟をみて、無理矢理つくらされたことも忘れて、風香の口元は緩んでいた。
「お粗末さまでした」
「さてと……」
立ち上がった大悟が、冷蔵庫の中を大きな体を折り曲げて覗き込んでいた。
そして中からオレンジやパイナップルなどの果物を取り出した。
「うまい飯の代わりにデザート作ってやる」
「でも私、甘いものは……」
風香がスイーツが食べられないことを知っているはずなのに、やっぱり大悟は意地悪だと先ほど上がった株が急降下した。
その変わり身の早さに、風香は驚きと同時に怒りがこみあげてくる。
(アイツ絶対私のこと、からかって遊んでるんだ)
唇を尖らせながらも、出来た料理を盛り付けるとダイニングに運んだ。
一人分の食事を運ぶと「俺ひとりで飯食うの嫌いなんだよ。お前も一緒に食え」と言われてダイニングに一緒に座った。
湯気のあがる食卓をうれしそうに眺めて、手を合わせている大悟の姿をみると、先ほどまでの怒りの感情がおさまっていった。
「おいしいですか?」
次々と皿の上が空になっていく様子を見て、風香は尋ねてみた。
「うまいよ。想像以上」
ニカっと笑われてその笑顔に驚いた。
(そんな顔もできるんじゃない……)
いつものシニカルな表情とは打って変わって、子供のような屈託のない笑顔をむけられて思わず風香が照れてしまい、うつむきひたすら目の前のごはんをかき込んだ。
「あーうまかった。ごちそうさん!」
目の前でパチンと手を合わせた大悟をみて、無理矢理つくらされたことも忘れて、風香の口元は緩んでいた。
「お粗末さまでした」
「さてと……」
立ち上がった大悟が、冷蔵庫の中を大きな体を折り曲げて覗き込んでいた。
そして中からオレンジやパイナップルなどの果物を取り出した。
「うまい飯の代わりにデザート作ってやる」
「でも私、甘いものは……」
風香がスイーツが食べられないことを知っているはずなのに、やっぱり大悟は意地悪だと先ほど上がった株が急降下した。