Taste of Love【完】
「お礼言われてもな……。どうせ帰れって言っても帰らないんだろ?」
「はい。もう少し終電まで時間があるから……」
「そうやって前回も倒れたんだぞ!だいたいお前は」
「ストップ!心配よりも努力してくれることを見てほしいの」
少し砕けた言い方が上司と部下という距離を、同級生のそれに変えた。
「そんな風に言われると、ダメって言えないじゃないか。風香らしいけど」
そう言うとコンビニの袋を風香へと手渡す。
中身を見るとサンドイッチと栄養ドリンクだ。
「ありがとう。私もっと頑張れそう」
思わずこぼれた笑みに、優しいやわらかい笑顔が返ってきた。
「“もっと”じゃなくて“ほどほどで”な。俺、先に帰るから。マジで無理するなよ」
去って行く翔太の背中を見ながら、高校生の時に感じた感情がジワリジワリと染み出るように心に広がるのを感じた。
そしてその感情に戸惑う。
(何考えてるの?昔から翔太はこうだったじゃない。別に私だけが特別なわけじゃないし)
自分の中の感情を否定して、差し入れられたサンドイッチを一口ほおばる。
昼から何も食べていない風香の胃袋がどんどん満たされていく。
それと同時に翔太に対する言いようのない思いが膨らんでいった。
「集中!」
自分にカツを入れると、余計な気持ちを抑え込むようにして仕事に集中した。
「はい。もう少し終電まで時間があるから……」
「そうやって前回も倒れたんだぞ!だいたいお前は」
「ストップ!心配よりも努力してくれることを見てほしいの」
少し砕けた言い方が上司と部下という距離を、同級生のそれに変えた。
「そんな風に言われると、ダメって言えないじゃないか。風香らしいけど」
そう言うとコンビニの袋を風香へと手渡す。
中身を見るとサンドイッチと栄養ドリンクだ。
「ありがとう。私もっと頑張れそう」
思わずこぼれた笑みに、優しいやわらかい笑顔が返ってきた。
「“もっと”じゃなくて“ほどほどで”な。俺、先に帰るから。マジで無理するなよ」
去って行く翔太の背中を見ながら、高校生の時に感じた感情がジワリジワリと染み出るように心に広がるのを感じた。
そしてその感情に戸惑う。
(何考えてるの?昔から翔太はこうだったじゃない。別に私だけが特別なわけじゃないし)
自分の中の感情を否定して、差し入れられたサンドイッチを一口ほおばる。
昼から何も食べていない風香の胃袋がどんどん満たされていく。
それと同時に翔太に対する言いようのない思いが膨らんでいった。
「集中!」
自分にカツを入れると、余計な気持ちを抑え込むようにして仕事に集中した。