Taste of Love【完】
「わかった。これで進めてくれ。期待してるぞ」
常務の一言で会議は終了した。
翔太とふたり、常務と企画部長を出口で見送った。
「よかったな」
翔太が風香の頭をポンっとたたいた。
「あの……ありがとう」
正直この企画が通ったのは翔太のおかげだ。
「いつの間に準備してくれてんですか?」
「あぁ、別にたいして時間をかけたわけじゃない。おまえ開発に一生懸命すぎて、コストの説明部分が弱いなって思ってたんだ」
「だったら一言そう言ってください」
「でも、お前の説明だけでも企画は通ったかもれしなだろう?余計なお世話になってもいけないと思ってな」
手に持っていた資料をクルクルと丸めて翔太が言う。
「それに最初から手伝ってやるのは上司の仕事じゃない。成功より失敗したことの方がお前のためになるんだ。その失敗をフォローするのが上司の俺の仕事だ」
改めて翔太がヘッドハンティングされて、室長に抜擢されたかがよくわかった。
(確かに翔太がいないと納得させられなかった)
丸めた資料でポンっと風香の頭をたたき、他のメンバーの元に行こうとしている翔太のスーツの裾を引っ張った。
「何?どうした?」
いきなり引っ張られた翔太はおどろいているようだったが、それに構わず風香は言葉を続けた。
「ありがとうございます。私、室長と仕事が一緒にできてよかったです!」
風香が今の自分の思いを伝えると「大げさなんだよ」と言い、風香の前髪をくしゃくしゃとかき混ぜた。
気のせいか目元が少し赤い気がする。
(もしかして、翔太照れてる?)
「い、いくぞ。さっさと片付けて、仕事だ!」
クルリと背中を向けれられて、それ以上顔を見ることはできなかった。
さっさと歩き始めた翔太を追いかけて、風香もメンバーの元へと戻った。
常務の一言で会議は終了した。
翔太とふたり、常務と企画部長を出口で見送った。
「よかったな」
翔太が風香の頭をポンっとたたいた。
「あの……ありがとう」
正直この企画が通ったのは翔太のおかげだ。
「いつの間に準備してくれてんですか?」
「あぁ、別にたいして時間をかけたわけじゃない。おまえ開発に一生懸命すぎて、コストの説明部分が弱いなって思ってたんだ」
「だったら一言そう言ってください」
「でも、お前の説明だけでも企画は通ったかもれしなだろう?余計なお世話になってもいけないと思ってな」
手に持っていた資料をクルクルと丸めて翔太が言う。
「それに最初から手伝ってやるのは上司の仕事じゃない。成功より失敗したことの方がお前のためになるんだ。その失敗をフォローするのが上司の俺の仕事だ」
改めて翔太がヘッドハンティングされて、室長に抜擢されたかがよくわかった。
(確かに翔太がいないと納得させられなかった)
丸めた資料でポンっと風香の頭をたたき、他のメンバーの元に行こうとしている翔太のスーツの裾を引っ張った。
「何?どうした?」
いきなり引っ張られた翔太はおどろいているようだったが、それに構わず風香は言葉を続けた。
「ありがとうございます。私、室長と仕事が一緒にできてよかったです!」
風香が今の自分の思いを伝えると「大げさなんだよ」と言い、風香の前髪をくしゃくしゃとかき混ぜた。
気のせいか目元が少し赤い気がする。
(もしかして、翔太照れてる?)
「い、いくぞ。さっさと片付けて、仕事だ!」
クルリと背中を向けれられて、それ以上顔を見ることはできなかった。
さっさと歩き始めた翔太を追いかけて、風香もメンバーの元へと戻った。