Taste of Love【完】
「お前いつから、あんな風になったんだ?」
急に真剣みを帯びた声色に風香は大悟を見つめた。
「いつからって……」
「昔は食べられてたんだろう?何かきっかけがあったはずだ」
いつものからかうような物言いじゃない。
風香の“スイーツ嫌い”をどうにかしようと親身になってくれている様子だ。
(どうして、ここまで拘るんだろう?自分のケーキを「おいしい」って言われたいだけじゃ説明できない気がするんだけど)
風香がひとり、色々と思案していると大悟が重ねて尋ねてきた。
「このままでいいのか?この仕事続けるなら、克服しないときついんじゃないのか?」
確かに大悟の言う通りだ。
今回は雅実と大悟のふたりのフォローがあって、試作品ができたけれど次からはこうはいかない。
風香は思い切って大悟に話をしてみることにした。
「食べられなくなったのは高校二年生のころです。それまでは趣味はお菓子作りっていうぐらい、作るのも食べるのも大好きだったんです」
「それがどうして、あんなに拒否反応を起こす様になったんだ?」
「あの……笑わないでくださいね。実は――」
風香は、相手が翔太だということは伏せて、バレンタインに失恋して以来食べられなくなったと大悟に話す。
急に真剣みを帯びた声色に風香は大悟を見つめた。
「いつからって……」
「昔は食べられてたんだろう?何かきっかけがあったはずだ」
いつものからかうような物言いじゃない。
風香の“スイーツ嫌い”をどうにかしようと親身になってくれている様子だ。
(どうして、ここまで拘るんだろう?自分のケーキを「おいしい」って言われたいだけじゃ説明できない気がするんだけど)
風香がひとり、色々と思案していると大悟が重ねて尋ねてきた。
「このままでいいのか?この仕事続けるなら、克服しないときついんじゃないのか?」
確かに大悟の言う通りだ。
今回は雅実と大悟のふたりのフォローがあって、試作品ができたけれど次からはこうはいかない。
風香は思い切って大悟に話をしてみることにした。
「食べられなくなったのは高校二年生のころです。それまでは趣味はお菓子作りっていうぐらい、作るのも食べるのも大好きだったんです」
「それがどうして、あんなに拒否反応を起こす様になったんだ?」
「あの……笑わないでくださいね。実は――」
風香は、相手が翔太だということは伏せて、バレンタインに失恋して以来食べられなくなったと大悟に話す。