Taste of Love【完】
「バカみたいですよね?」
話してはみたものの、大悟の反応が怖い。
(どうせ「なんだそんなことか!気合で治せ」とか言いそう)
上目遣いで大悟を覗き見ると、大きな厚い唇をぎゅっと結んでいた。
「心因性のものか……だったらなおさら、治してやりたいよ」
同情だろうか、どこかさみしそうな表情を見せた。
(どうしたんだろう?どうしてそこまで切ない顔見せるの?)
どう答えていいのか、わからないほど風香は動揺してしまう。
「食べるっていうことは、人間にとって生きることだ。それと同時に楽しみである」
真剣な目から風香は視線をそらすことができない。
「今まで趣味にまでしていたってことは、甘いもの好きなんだろ?それが人生から急にぽっかり抜け落ちて、お前
はそれで平気だったのか?」
(平気なんかじゃない……。今まで楽しくて仕方なかったことが、出来なくなって新しい趣味もみつけられないままここまで来てしまった)
「平気……なんかじゃないですよ。レシピ本見るとため息が自然にでてきて、いつの間にかそれを開くことさえもしなくなりました」
話してはみたものの、大悟の反応が怖い。
(どうせ「なんだそんなことか!気合で治せ」とか言いそう)
上目遣いで大悟を覗き見ると、大きな厚い唇をぎゅっと結んでいた。
「心因性のものか……だったらなおさら、治してやりたいよ」
同情だろうか、どこかさみしそうな表情を見せた。
(どうしたんだろう?どうしてそこまで切ない顔見せるの?)
どう答えていいのか、わからないほど風香は動揺してしまう。
「食べるっていうことは、人間にとって生きることだ。それと同時に楽しみである」
真剣な目から風香は視線をそらすことができない。
「今まで趣味にまでしていたってことは、甘いもの好きなんだろ?それが人生から急にぽっかり抜け落ちて、お前
はそれで平気だったのか?」
(平気なんかじゃない……。今まで楽しくて仕方なかったことが、出来なくなって新しい趣味もみつけられないままここまで来てしまった)
「平気……なんかじゃないですよ。レシピ本見るとため息が自然にでてきて、いつの間にかそれを開くことさえもしなくなりました」