Taste of Love【完】
店の前で宮本夫妻別れた、風香と翔太はゆっくりとした足取りで駅へと向かう。
「なぁ、あのストラップ出して」
「あ、うん」
バッグからコアラのストラップを取り出す。
すると、バッグの外ポケットに入れてあったスマホを翔太がすばやく抜き取った。
「あ! もう何するの?」
「これ、せっかくもらったんだから付けろよ」
「でも私までつけたら、翔太とお揃いになるじゃない」
「いいだろ。別に。ほら」
返されたスマホには、コアラのストラップが取り付けられていた。
「絶対はずすなよ。俺もつけとくから」
翔太は自分のスマホを持ち上げて、ストラップをゆらゆら揺らした。
アルコールも手伝ってか、翔太の様子がいつもよりも幼く感じる。
(でも、いつもしっかりしてる翔太のこういうところも新鮮)
翔太とコアラのギャップがおかしくて思わず笑ってしまう。
「何笑ってるんだよ」
「別に、なんでもないよ」
(きっと明日の朝起きて、スマホ見てコアラがついてることに驚くんだろうな)
それを想像すると、ますます笑いが止まらなくなった。
「ほら、いつまでも笑ってないで帰るぞ」
「うん。明日も激務だもんね」
ふたり、肌寒くなった街を歩く。
左に立つ翔太をふと見つめると、翔太との距離がドンドン縮まっていることを実感した。
「なぁ、あのストラップ出して」
「あ、うん」
バッグからコアラのストラップを取り出す。
すると、バッグの外ポケットに入れてあったスマホを翔太がすばやく抜き取った。
「あ! もう何するの?」
「これ、せっかくもらったんだから付けろよ」
「でも私までつけたら、翔太とお揃いになるじゃない」
「いいだろ。別に。ほら」
返されたスマホには、コアラのストラップが取り付けられていた。
「絶対はずすなよ。俺もつけとくから」
翔太は自分のスマホを持ち上げて、ストラップをゆらゆら揺らした。
アルコールも手伝ってか、翔太の様子がいつもよりも幼く感じる。
(でも、いつもしっかりしてる翔太のこういうところも新鮮)
翔太とコアラのギャップがおかしくて思わず笑ってしまう。
「何笑ってるんだよ」
「別に、なんでもないよ」
(きっと明日の朝起きて、スマホ見てコアラがついてることに驚くんだろうな)
それを想像すると、ますます笑いが止まらなくなった。
「ほら、いつまでも笑ってないで帰るぞ」
「うん。明日も激務だもんね」
ふたり、肌寒くなった街を歩く。
左に立つ翔太をふと見つめると、翔太との距離がドンドン縮まっていることを実感した。