Taste of Love【完】
十二月に入ると、バレンタイン企画に取り掛かる時期になる。
風香もいくつが企画を上げて、今回も大悟の助けをかりてバレンタイン商品を売り出すことになった。
「雅実ちゃん、今から浅見さんのところに企画書届けて、そのまま帰るつもりだけど、何かある?」
ホワイトボードに行先をかきながら、雅実に話かける。
「んーっと私からは特にないですけど、ちょっといいですか」
「ん?どうかした?」
「ちょっと、こっちに」
連れてこられたのは、給湯室だった。
「どうしたの?デスクではできない話なんだよね?」
「別に、できないってわけじゃないんですけど……」
雅実の声が急に小さくなる。
「三栖室長がお見合いするって本当ですか?」
「え? 翔太が!?」
「はい、その翔太さんがですよ」
普段会社では“室長”と呼んでいたのに、驚きのあまり“翔太”と呼んでしまう。
慌てて口を抑えたが今さら後の祭りだ。
そんな風香を雅実は呆れるような顔で見ている。
「もうばれてるんで、隠さなくてもいいですよ」
「そうなの……?」
「他のみんなはわかりませんが、私を誰だと思ってるんですか?」
雅実は腕組みをして、風香を軽く睨む。
「別になにかあるわけじゃないのよ……」
(告白されたけど)
「お揃いのコアラのストラップつけてるのに?」
相変わらずの雅実の鋭さに、風香は舌を巻いた。
風香もいくつが企画を上げて、今回も大悟の助けをかりてバレンタイン商品を売り出すことになった。
「雅実ちゃん、今から浅見さんのところに企画書届けて、そのまま帰るつもりだけど、何かある?」
ホワイトボードに行先をかきながら、雅実に話かける。
「んーっと私からは特にないですけど、ちょっといいですか」
「ん?どうかした?」
「ちょっと、こっちに」
連れてこられたのは、給湯室だった。
「どうしたの?デスクではできない話なんだよね?」
「別に、できないってわけじゃないんですけど……」
雅実の声が急に小さくなる。
「三栖室長がお見合いするって本当ですか?」
「え? 翔太が!?」
「はい、その翔太さんがですよ」
普段会社では“室長”と呼んでいたのに、驚きのあまり“翔太”と呼んでしまう。
慌てて口を抑えたが今さら後の祭りだ。
そんな風香を雅実は呆れるような顔で見ている。
「もうばれてるんで、隠さなくてもいいですよ」
「そうなの……?」
「他のみんなはわかりませんが、私を誰だと思ってるんですか?」
雅実は腕組みをして、風香を軽く睨む。
「別になにかあるわけじゃないのよ……」
(告白されたけど)
「お揃いのコアラのストラップつけてるのに?」
相変わらずの雅実の鋭さに、風香は舌を巻いた。