Taste of Love【完】
「こんにちは。サニーエイトです」
パティスリーアサミに到着した風香は、気持ちを切り替えて扉をあけた。
いつもシンプルな店内は、大きなクリスマスツリーやポインセチアで華やかに飾り付けられている。
夕方の今、相変わらずショーケースの中はほぼ完売だったが、クリスマスケーキを予約するお客さんでにぎわっていた。
お客さんの波が引くまでしばらく待っていると、向こうからいつか、大悟にミカと呼ばれていた受付の女性が歩いてくる。
「あの、お約束いただいていたんですけど、浅見さんは?」
「この店の状況見てわからないの?」
以前もそうだったが、今回も威圧的な態度をとられて風香は思わず眉をひそめた。
「確かに、十二月でお忙しいということは十分承知しています。しかし……」
「だったら、どうして来たのよ?いえ、そもそもあなたたちの会社に関わって以来、大悟はゆっくりと休む暇もな
いわ」
「それは申し訳ないと思いますが」
「それに、どうしてあなたばかり来るの?」
「私の企画ですし、浅見さんにそうするように言われているので」
「はっ……ああ言えばこういう。だいたいね私たちはいい迷惑なのよ。いちいち仕事の手を止められて」
パティスリーアサミに到着した風香は、気持ちを切り替えて扉をあけた。
いつもシンプルな店内は、大きなクリスマスツリーやポインセチアで華やかに飾り付けられている。
夕方の今、相変わらずショーケースの中はほぼ完売だったが、クリスマスケーキを予約するお客さんでにぎわっていた。
お客さんの波が引くまでしばらく待っていると、向こうからいつか、大悟にミカと呼ばれていた受付の女性が歩いてくる。
「あの、お約束いただいていたんですけど、浅見さんは?」
「この店の状況見てわからないの?」
以前もそうだったが、今回も威圧的な態度をとられて風香は思わず眉をひそめた。
「確かに、十二月でお忙しいということは十分承知しています。しかし……」
「だったら、どうして来たのよ?いえ、そもそもあなたたちの会社に関わって以来、大悟はゆっくりと休む暇もな
いわ」
「それは申し訳ないと思いますが」
「それに、どうしてあなたばかり来るの?」
「私の企画ですし、浅見さんにそうするように言われているので」
「はっ……ああ言えばこういう。だいたいね私たちはいい迷惑なのよ。いちいち仕事の手を止められて」