きっと上手くいく
「デブより先にここに来ようって、店の裏口からタクシー拾って、運ちゃんに近道教えながら先に来た」
「それってひどい」
「何とでも言え」
おでこをコツンと重ね
和也の片手は背中に回り
別の片手は私のお腹の上にのせた。
「誰の子でもいい」
「私の子だよ」
「うん。それでいいよ」
柔らかい唇がそっと頬に触る。
「お前の子でいい。俺は付属品でいいから一緒に居たい」
静かに彼の唇が私の唇に重なる寸前で
「千尋ちゃん!僕と結婚しよう!」
玄関の扉が開き、健ちゃんが現れた。