きっと上手くいく
円満


デブを追いかけて走る。

二度目だよな。
最初の頃に一度あった気がする。
デジャブ感を思いながらデブの姿を探す。

ほんの何分か前の話だから
絶対そこら辺で転がってるかもしれないのに


姿が見えない。

どこに転がった?
そういえばアイツ足が速かった気がするし。

夜の遅い時間に、たそがれる場所。
気分は乙女なヤツだから
たぶんあそこだ!

俺は駅に向いた身体を回転させ
わざと暗い方にある小さな公園へと走る。

ベイマックスは大きな身体で
ひとりブランコに乗っていた。

ビンゴ!

寂しそうに泣きながら
コートの襟を立て
ビジネスバッグを砂場に置いて
マフラーで風を避けながら
寒空の下で泣いている。

ジャケット一枚の俺はうっすら汗などかきながら、公園に走ると

乙女な男の定番。
デブはひとり
夜空の下でブランコ。

切れた息を整わせ
俺は静かに近づいて
そっと隣のブランコに腰を下ろす。

やっぱ
泣いてる。

すまん。
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