きっと上手くいく
「ただいま」って2人で帰ると
「おかえり」って千尋が恥ずかしそうに答える。
「寒かったでしょ」「公園で缶コーヒー飲んでた」「俺がさぁせっかく超甘いヤツ買ってやったのに、こいつブラック選んでさー」「勝手に決められるの嫌だったんです」「優しさだろーが」「もういいから。ほら温かいポタージュ作ってたんだよ」「わぁ千尋ちゃんの手作りスープ」「俺が買った缶詰で作ったろ」「別にいいでしょ」
「お前、あれは何だよ。また親から送って来た荷物開けてないのかよ」
会話が続く
途切れるのが怖いからなのか
3人の会話に飢えていたのか
怖いくらいに会話は続き
懐かしい時間に心が満たされ
千尋の笑顔に癒される。
俺
本気でもうお前を離さない
お前にゾッコンやられてるから。
そんな想いで千尋を見ていると
「じゃぁ……木曜日の彼女の話からいたしましょう」
千尋は俺達にスープを差し出し
偉そうに話を始める。
木曜日の彼女の話って……なんだ?
千尋の話を軽く聞きながら
俺の顔と頭は真っ白になる。
まさか
ゴムに穴を開けてたなんて
そして
それを使ったなんて
吐きそう。
「その時デキたんですね」
落ち着き払ったデブの声が遠く聞こえる。
「そーだと思うんだ。だって健ちゃんはちゃんとゴム付けたもん」
「僕はそんなバカな真似はしませんから」
メガネの奥で細い目がキラリ光る。
ぶん殴るぞ公務員。
でも
それが原因か……あぁ疲れたけどスッキリ。