きっと上手くいく
深みにハマってはいけない
自分が泣いてしまう
自分が苦しくなる
好きな女の子に嫌われるのは慣れてるけれど
彼女は特別だった。
きっと
僕は傷付いて
立ち直れなくなるだろう。
でも人を好きになるって不思議で
自分はどんだけ傷付いてもいいから、彼女と一緒に居たい。彼女の笑顔が見たいって思ってしまう。
一緒に暮らしている男がいるらしい
ホストらしい
きっとチャラくて性格も悪くて
彼女を泣かせて
貢がせているんだろ
それでもいいと僕は言い
千尋ちゃんと付き合い始めた。
ホストが友達と遊びに行ったり
地元に帰ってる間
僕は自然に彼女と手を繋ぎ
キスをして
エッチもした。
彼女は泣いていた。
『健ちゃんごめん。私は健ちゃんの優しさに甘えてる。私には和也がいるのにごめん。なんでこんなんなっちゃんたんだろ。健ちゃんを傷付けたよ私。大好きな人を傷付けたごめん』
僕はそれで十分だった。
幸せだった。
これ以上
彼女を悩ませたくない。
千尋ちゃんは僕をバカにせず、ひとりの人間として面と向かって付き合ってくれた。
一緒に沢山話もして
笑って楽しい時間を過ごした。
彼女には男がいる。
彼女にはずっと笑って欲しかった。
『優しい健ちゃんが好きだったよ。でも私には和也がいるの。あの人が好きなの』
一生分の幸せの言葉をもらったから
僕は身を引こうと思っていたら
とんでもない事実を知る。