きっと上手くいく
「デキたから、この家を出て行って」
「え?」
「子供ができたから出て行ってほしいの。ここの部屋は私の部屋で、和也が入り込んだんでしょう。生まれたら狭くなるし」
千尋はまだ出てないお腹をジーンズの上から触り、笑顔で言う。
「ちょ、ちょっと待てよ」
整理したい
頭の中を整理したい。
俺はジャンプを放り投げ
千尋の前に正座する。
「子供が出来たんだろ」
俺の問いかけに彼女はうなずく。
「産むのか?」
またうなずく
「俺の子なんだろう」
すると今度は
うなずかない!!
おい!
そこはうなずくところだろーが!
頭真っ白になっていると
彼女のスマホが鳴った。
「あ、いるよー。うん入って」
そう返事をし
玄関を見つめていると
ひとりの小太りの男がコソコソと部屋に入って来た。
誰?こいつ。