きっと上手くいく
「あのさー言いすぎた。冗談だからー」
チャラけて言う俺に対し
表情もなく俺を見るマトリョーシカ。
「なんつーか……悪かったかもしれない。ごめん……あのさぁ」
謝ってたら
地面が揺れた。
地震?
いや……俺が揺れてる。
揺れて飛んでアスファルトにドン
地面にドン
壁ドンは職場で何度もやさられたけど……地ドン?
ケツいてー!
ヤツは両手を出して
スゴイ力で俺を突き飛ばし涙を見せていた。
「あんたなんかに
僕の気持ちがわかってたまるか!」
そして
ビジネスバッグを抱きかかえ
乙女走りで去って行く。
俺……突き飛ばされたし
はぁ?
いやきちんと謝ったし
え?
あぁ?
はぁあ?
通行人がずっと座り込んでる俺を不思議そうに見下ろす。
お前の気持ちなんてわかるかよ!
でも
かなり怒ってたな
悪かったかも……。