きっと上手くいく

千尋ちゃんからその夜電話があったけど、僕は指をスライドしなかった。
自分が情けなくて
話をしたくなかった。

彼は笑ってるだろう。

『あのデブ。ウケるー』とか言いながら、絶対笑ってる。

彼に僕の気持ちはわからない。



僕とは正反対の彼。


どれだけ千尋ちゃんが好きでも
誰にも負けない気持ちはあるけど

彼と比べると
僕は小さく惨めになってしまう。

僕は役立たずで
無力だった。

大好きな千尋ちゃん。


僕は恥ずかしい。

こんな自分で恥ずかしい。



ごめんね。








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