きっと上手くいく
どうしようか
これから。
女に捨てられるって
ないから
対処の方法がわからん。
いつも捨てる立場だからな。
自虐気味にちょっと笑っていると
「……岸さーん。山岸さーん」
どこかで聞いた声が遠くから響き
俺は声の方を探すと
車のヘッドライトに照らされながら
ベイマックスがこちらに向かって一直線に走って来た。
水面と共に
橋も揺れそう。
「見つけた!」
捕獲ゲームのようにデブは目を輝かせ俺の元へ走り、息を切らし肩を上下させ、この寒空に汗をかきながら手を出し俺の手をしっかり握った。
手汗がキモい。
「探しました。あの……すいません。僕……」
目をキラキラさせてデブは俺を威圧する。
キモっ……てか怖っ!
何が言いたい?
俺を笑いに来た?
家を出て
千尋をあきらめた俺を笑いに来た?
俺は奴の手を乱暴に振り払ったけど
奴は負けずに俺の手をまた握ってこう言った。
「山岸さんのおっしゃる通りです。目が覚めました。僕はイジイジして、すぐ人のせいにして、あきらめも早くて……嫌な男でした。あの……」
「何だよ」
「まずは……お友達からお願いします」
デブはそう言い頭を下げ
俺は
こいつを理解する自信がないって事に気付く。