きっと上手くいく
懺悔






千尋ちゃんに『ごめんなさい』をされた日。

彼女のお腹の子供が
山岸さんの子ってわかった日。

つまり
千尋ちゃんにフラれた日。

僕は家に帰ってご飯も食べず
泣くだけ泣いた。

泣いても泣いても涙が出る。
こんなに泣いたのは人生初だろう。
四国の祖母が亡くなった時以来だ。
あまり泣いていると
最終的に何に泣いてるのか
わからなくなってくる。

悲しくて悔しくて
情けなくて
でも出会えて感謝で
大好きな女の子とエッチできた幸せに感謝で

でも

やっぱり悲しくて
もう大人なのに
ワケがわからない。

自分の部屋のベッドの隅で背中を丸め
グズグズとティッシュで涙と鼻水を押さえていたら

「メシはー?」

イケメンで自信過剰の兄が部屋に入ってきた。
山岸さんを思い出す。

「……いらない」

兄の顔なんて見たくない。
誰にも会いたくない。

「ダイエットか?失恋ダイエットか?」
楽しそうに笑っている。

「違う!」
兄に背を向けツンとした態度を取ると「女子か?子供か?」ってまた笑う。

大嫌いだ。こーゆー人種。








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