きっと上手くいく

アッという間の年末。

今年中に入籍したいとか
クリスマスに入籍したいとか
僕の職場は大忙し。

「石橋さん。今日は忘年会ですから、忘れないで下さいね」

自分の席に座った途端
隣の後輩にそう言われた。

「まだクリスマス前だよ。今日だった?」
保険会社からもらった卓上カレンダーを見てチェックすると

「店が取れないし、年末はみんな忙しいから今年は早くしたんですよ。クリスマス過ぎから有休とって海外行くヤツもいるし」
面白くなさそうな返事が戻る。

「忘年会……あれ?僕の所に回覧きたかな?」
見てないと思った。
だって見てたら欠席に印をつけるから。

「あ、石橋さんが居ない時回ってきたので、俺が出席に名前書いておきました」
カラッと明るく言われてしまった。

「え?どうして?」
そんな勝手に!

「参加者が多い方が楽しいし、会費も助かりますから」
スマホをチェックしながら悪びれも無く言う

ここは怒るところ……だよね。
怒っていいんだよね。

「それってさぁ」

「何ですか?まさか先輩のくせに『行かない』って話じゃないですよねー」
ギロリとにらまれた。

「でっ……でも……ね」

「石橋さん行かないなら俺も行きませんよ。『あー行かなくていいんだー』って、行かないヤツも出てきますよ」

「……それは困る」

「じゃぁ決まり!」

そこでやっと笑顔になり
後輩は僕の肩をポンポンって叩く。

飲み会の気分じゃないけれど
課の為
これも仕事だから頑張ろう。
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