きっと上手くいく
外は寒い。
鍋料理の店から出て
スーツの上からコートを羽織り
マフラーと手袋を身に着けると
「石橋さん丸い」
酔ったついでに女の子達が後ろから言い
周りも爆笑。
二次会なんて行かない。
一次会はオレンジジュースを飲みながら
女の子達に料理を振り分け
みんなの飲み物をグラスから減らさないようにする。
「やっぱこーゆー時は石橋さんの隣に座るといいよね」
「そうそう全部やってくれる」
それは褒め言葉なのだろうか。
確かに変な所に気は回るけど
特定な女の子と向き合うと、僕は何もできない気の利かない男になる。
つわりの千尋ちゃんにポテチとコーラを持ってた男だから
あ……目がまた潤んできた。
さりげなくおしぼりで涙を拭いて
一次会は課長の隣で、仕事のグチをずっと聞いていた。
逆に会費を払って欲しい。
まぁいいか。
色々とイジられるけど
本気の嫌味を言う人はいない。
山岸さんが僕を呼ぶ『デブ』って言葉も、本気のイジワルって気はしなかった。
僕が鈍感なのかもしれないけど。
「ではお先に」って逃げようとしたけれど
みんなに引きとめられた。
二次会でも課長の面倒を見れと言うのだろうか。
今度は係長に押し付けたい。
係長の方をすがって見上げると
「上司の命令だ。来なさい」
パワハラで訴えたい。
僕は課の若い子達に引っ張られ、二次会へと足を運んだ。