恋愛心工事中。
バシャッ
「ふぅ~…」
25m地点に到達。
『すっげぇ~…』
そんな声がして、その方向を向く。
そこには、驚いた表情の京司がいた。
「…見てたの?」
何か恥ずかしいんだけどっ。
『すげー美羽!
感動したわ、俺!』
…そんな凄い事か?
『美羽は平泳ぎ専門なんだろ?
なのにクロールやべぇな!』
あたしの隣のコースで、同じく25mを泳いだらしい京司。
「そんな凄い事じゃないよ。
あたしクロールは好きだけどさ…」
『それ嫌味に聞こえるぞ?』
京司が呆れ顔で言った。
「嘘!?」
『嘘。』
…んなっ!?
京司はニヤッと笑うと、ターンして、再び泳ぎ始めた。
…平泳ぎ。
「うまっ…」
つい、声に出してしまった。
京司って…泳ぎうまいなぁ!
もっと早く水泳部入れば良かったのに…
あたしスカウトするべきだったかな!?
な~んて考えていると……
『笹崎っ!』
Σうぇっ!?
遠くのプールサイドで、いつの間にか帰ってきた河村先生が、あたしを見ていた。
『さぼるな~!』
「す、すみませんっ!」
河村先生のスパルタ…(汗)
あたしはすぐにターンして、また泳ぎ始めた。