恋愛心工事中。



『何としてでも応援しにいくから』


………っ。



「口だけでしょっ…」





そんなあたしの呟きが聞こえたのか、壱がこう言った。



『有言実行するから』





…何、それ。





「好きにすれば!?」





何でかな?
どうしてかな?




憎まれ口叩いても、心の中は嬉しさがこみ上げてきた。




……変なのっ。




『俺の応援で美羽の事、優勝させてやるから』




……何、コイツ。
バッカみたい。






それでも…心臓が高鳴っていた。






「アンタの力借りて優勝なんかしたくない」


『ったく、冷てぇな。
そういう所も可愛すぎんだけどな♪』




………ウザ(怒)





「軽いんだよ!!
ナンパ男か!?」



あたしは壱の背中を叩いた。





『本音だっつの。
俺は軽くねぇし。』




アンタが軽くなかったら誰が軽いんだよ!!





「変人」


『変人言うな』








「ポチ」

『変人より言うな!!』







「あははっ」


つい可笑しくて、笑ってしまった。






『美羽の笑い方マジやべぇわ。』




………は?





『俺の前でそんな笑ってくれなかったのもあるけど…美羽が笑ったのが嬉しい。』





…………っ。




心臓が大きく跳ねた。





『てか美羽細いな、腕。
ちゃんと飯食ってんのかよ…。』





その時………




壱が片手をハンドルから外した。




そして………








『ちょっと危ないかな』




…………っ!





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