恋愛心工事中。


『琉依はさ、美羽を好きになっちゃったんだよ』


……っ。




自然と、胸の鼓動が早まった。




『親父さんに中学高校で彼女を作るなって言われたけど…琉依はそれでも美羽が好きでさ。』



本当に……?



『親父さんに反対されるって分かってるけど、美羽が好きでさ。』



…嘘みたいだ。




『それで…告白しちゃったんだけど…琉依は後悔したって。
俺とは長く付き合えないのに、って。』



言葉が出ない。




『それで、思い切って親父さんに話したんだって、美羽の事。
そしたら……』




やっと壱があたしに目線を向けた。



真っ直ぐな目は、少し辛そうだった。





『やっぱり別れろって言われたらしい。
約束を守らなかったのかって…暴力振るわれて』



……酷い…




『それで泣く泣く美羽をフったって…』




……じゃあ…あれは…



嘘だったの?
演技…だったの?




『その前の荒れてる彼女にも美羽と同じようにフったんだって。

そうすれば…絶対彼女から離れてくれるから』






…………。





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