恋愛心工事中。


『とはいえ、琉依は凄く反省してたよ。
本当の事を話せば良かったって。あんな親父に負けたのが情けねぇって』




じゃあ…あたし達は…

両思いだったんだ。






琉依は友達にまで嘘ついて、演技して……


お父さんに暴力振るわれてたのに、苦しんで…





あたしは…何も…気付いてあげられなかった。




琉依と付き合っている時も、琉依が悩んでいるなんて。

別れる時に、琉依も苦しかっただなんて。



…何も…知らなかった。






『琉依とまた戻りたいと思う?』


壱が言った。



その目は濁りが無く…あたしを真っ直ぐと見つめている。





あたしは静かに頭を横に振った。




琉依と戻りたいなんて思わない。


ただ……




当時…琉依の苦しみを分かってあげられなかった自分が嫌。






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