恋愛心工事中。


『お袋は随分前に家を出たよ』



琉依があまりにも普通な事のように話すので…

胸が痛くなった。






「今…お母さんは…どうしてるの?」


声が震えた。






『知らねぇ』


目を地面に向けて言う琉依。





「今、琉依はどこで暮らしてんの?
仕事って何?」



つい質問だらけになって、あたしは口を抑えた。


琉依は大丈夫、というように笑った。







『仕事は鳶だよ。
家出して困り果ててたら、親方が声をかけてくれてさ』




久しぶりに会う琉依は、痩せていて。

何だか不健康な痩せ方だった。



ちゃんと食べてるのかな…?






『俺はそこで働く事になって…まぁ、この近くなんだ。

俺の先輩が住んでるアパートに今は居る。』







あたしと同い年なのに…こんなにも、あたしと違う。


あたしの何百倍も苦労している。






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