恋愛心工事中。
あたしが美味しくご飯を食べている時…
琉依は汗水流して働いてる。
あたしが寝ている時…
琉依は悩んでいるかもしれない。
そう考えたら、少し納まった涙がまた出てきた。
『んな顔すんなって』
結局消していないタバコをくわえ、柔らかな笑みを浮かべてあたしを見る琉依。
「…ごめっ…ん…」
あたしの目からはこぼれてしまった。
頑張ってこらえていた涙が。
『おい、泣くなよ』
琉依は慌ててベンチを降り、あたしの目の前にしゃがみこんだ。
凄く遠くにいた琉依が、今あたしのすぐ目の前にいる。
それが凄く不思議で、変な気持ちにさせられた。
『ごめん…暗い話して』
あたしはぶんぶんと首を横に振る。
「あたしっ…ごめんっ…」
向き合わなきゃ。
辛い事でも、向き合わなきゃ。
今、ここに琉依がいる。
大好きだった、琉依がいる。
だからこそ、話をしなくちゃ。
進まなきゃ。
過去の事を…話さなくちゃ…
自然と震えだす手を必死に抑えた。
呼吸も乱れる。
けど、言おう。