恋愛心工事中。
『でも、今こんな事言ってもお前を困らせるだけだから』
琉依は振り返って、あたしを見た。
また寂しそうに笑っていた。
『今更何、とか思うよな。ごめん。
でもこれは絶対言いたくて…自分がただスッキリするだけかもだけど……』
琉依は少し眉を上げて歯を見せた。
『俺の事なんか考えなくて良い。美羽は俺の事なんか忘れてさ、恋愛して。』
分かってる。
分かってるよ…
琉依が無理して言ってる事くらい。
本当は自分を忘れてほしくないよね?
本当は、あたしに恋愛してほしくなんかない…よね?
静かな風が吹いて、眉間にシワを寄せる琉依の髪を撫でた。
……無理だよ。
こんな表情して、人一倍辛い思いをしてる琉依を忘れるなんて…
そんな自分勝手な事、出来ないよ…
『またどっかで会うかもしんないけど…その時は普通に接してくれよ』
…やだ、やだ…
琉依はこれから、いつまでも辛い思いをしなきゃいけないの…?
そしたら、
そしたら………