恋愛心工事中。
クラスが小さな歓声をあげた。
もっとも、歓声をあげたのは女子だったけれど。
………!?
あたしは目を疑った。
有美も興奮したように入って来た人を見る。
開いた口が塞がらない。
コレ、まさに、今のあたし!!
……だってだって。
そこにいたのは。
「く、黒崎壱~っ!!!???」
そう。
あたしがカラオケで男に絡まれた時、助けてくれた…
あたしが大声が叫ぶと、教室のみんながあたしに注目した。
けど、あたしはどうでも良かった。
『お。やっぱり会った。』
あたしの高校の制服に身を包んだ黒崎壱は、女子が歓声をあげるだけある。
めちゃくちゃ格好良い。
モデルみたいな顔にスタイル。
ま、長髪はない。
『先生。
俺、アイツの隣希望します。』
クラスがまたざわついた。
アイツ……とは、
あたしの事だったのだ。
「……っえ!?」
と、隣!?無理!!
今、あたしの隣には、誰もいない。
だって、男が隣に来ないように希望したんだもん。
あたしが政え先生に必死に頼み込んだ努力が水の泡!!