恋愛心工事中。
こんなにも今まで、あたしの事を思ってくれていた琉依。
この人を忘れるなんて出来ない。
あたしに真っ直ぐな思いを伝えてくれる壱。
こんなバカみたいに一途な人を裏切る事なんて出来ない。
ねぇ……
あたし、どうすればいいの?
琉依も壱も、嫌いじゃない…なんて言うのは贅沢?
2人が、こんなにも一途な2人が…あたしを思ってくれているんだ。
胸が苦しくて、頭がクラクラする。
どっちかを傷つける事も、どっちも傷つける事も、そんな簡単に出来ないよ。
頭がゴチャゴチャして、一人で考えていたかった。
「ごめんっ…」
あたしはそう呟くと同時に、駆け出した。
『おいっ』
『美羽!!』
2人の声が聞こえても、あたしは走り出した。
浴衣で足がもつれて走りにくい。
それでもお構いなしに走った。
自分の出せる限りの全力で、走った。
つまづいて転びそうになっても、足が痛くても…
涙はまだ、とめどなく溢れていた。