恋愛心工事中。
もう、どうすれば良いのか分からないよ。
゙壱゙と表示されつづけ、着信音が鳴り止まない携帯を握りしめて、泣いた。
全てを吐き出すかのように。
…いや…吐き出したかったんだ。
――
次の日。
あたしは重い足取りで学校へ来ていた。
京司は別のクラスなので会っていないが…
有美はまだ来ていなかった。
……壱も。
あたしは壱の隣に座って、どんな顔をすれば良いんだろう。
こんがらがる思考を抑えつけるように、あたしは強く拳を作った。
『美羽っ…』
ふと、目の前からの声に顔を上げた。
『大丈夫?』
……あ…
「有美…」
少し戸惑った表情の有美が居た。
『昨日どこ行ったのか心配したよ~』
有美は泣きそうな顔をしていた。
「ごめん…」
『美羽が無事なら良いんだけど!!』
昨日……
着信履歴を見たら、有美と京司と壱の名前で、埋め尽くされていた。
メールもたくさん来ていたが…
あたしは返事をする気にはなれず、ずっと、泣いていた。
『あたしで良かったら何あったか教えてね!!』
有美は知ってるんだ。
あたしが苦しい状況に居る事を…
「ありがと…
でも…ごめん、ちょっと時間ちょうだい?」
あたしは有美を見た。
有美は優しく笑っていた。
『勿論』
また泣きそうになった。