恋愛心工事中。
『んで急にお前泣いてどっか行っちゃうし…あの後、俺、琉依と…』
壱は言葉を切った。
………え?
「琉依と…何?」
あたしがあそこから飛び出した後…壱が琉依と何をしていたのか…?
『それは…』
壱は考えるような表情をみせた。
『水泳……部活、あるよな、今日』
壱の問いかけに、小さく頷いた。
『部活終わったら』
壱が真剣な目をしてあたしを見つめたもんだから…
あたしの心臓は大きく飛び跳ねた。
『この間来た…あの公園、来て』
壱が真っ直ぐにあたしを見つめて言う。
「…分かった」
壱と琉依が、何を話していたのか…
それが聞ける。
…そして……今日のお昼には…
有美に過去を話す。
それで、気持ちの整理がつくハズ…
結局、あたしは選ばなきゃいけないんだ。
あたしは、壱をフる事も、琉依をフる事も…できない。
どっちかを選ぶ、なんて事も…あたしにはできない。