恋愛心工事中。
「いっ…」
嫌、という言葉を飲み込んだ。
さすがに失礼だし?
『えっとぉ~!
そっちの吉田さんの隣は~…?』
吉田さん、とは吉田瑠璃。
長い黒髪、可愛らしい顔、華奢な細長い手足。
瑠璃はかなりモテる。
瑠璃の隣にも誰もいない。
瑠璃は黒崎の事を目をハートにしてみている。
…黒崎っ!!
あたしなんかより瑠璃の方が可愛いだろっ!!
しかし。
『いや。
お前の隣。』
黒崎は政え先生の返事も聞かず、鼻歌を歌いながら、あたしの席へ近づいて来た。
しかも、教卓の隣に置いてあった、あまりの机と椅子をちゃんと持って。
あたしの席は、窓側の一番後ろ。
通路側があたしの席。
通路を挟んで隣が有美。
クラスがじっと黒崎を目で追う。
………こいつ正気!?
怖いってば!!
黒崎は、あたしの席の隣…窓側の席…に持って来た机と椅子を置いた。
黒崎は、ニカッと笑った。
それを見ていた半数の女子がノックダウン。
……まじ!?
あたしはわなわなと震えた。