恋愛心工事中。


―――
――



あたしは、有美に貰った牛乳を一口飲んだ。




「あのね…」


有美に声をかけると、優しく微笑む有美。




あたしは話した。




中学生の時。


琉依との付き合い。

琉依の裏切り。



壱が教えてくれた、琉依の真実。

琉依はあたしが好きだった事。

壱からの告白…



花火大会で出会った琉依からの告白。

琉依が今、経験している辛さ。


そこへ壱がやってきて…逃げてしまったあたし。






今まで、本当に誰かに聞いて欲しかった。


けど、真実を話して『捨てられた女』と思われるのが嫌だった。



しかし…今分かった真実は、琉依はあたしが好きだった。

壱が、あんなに気持ちを伝えてくれた。




その2人の気持ちを断ろうとしている、あたし。






中学生の時に誰かに話してたら、何か変わっていたかな?


こんなに信頼している有美にでさえ…話すのが怖かった。





だけど、有美が優しく聞いてくれない訳がない。


あたしはバカだ。





壱も、琉依も、有美も京司も。


優しい人ばかりで、あたしは甘えてしまいそうだよ。

迷惑一杯かけてしまいそうだよ。




それが怖い……






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