恋愛心工事中。


話し終えると、有美は俯いていた。

何も言わずに、相槌を打って聞いてくれた。




『…美羽は2人ともフろうとしてるって訳?』




…………。


あたしは無言で頷いた。






『…それで良いの?』




………え……





「どういう…事?」


あたしは有美に聞き返した。





『美羽は、自分の中で何か変わっている事、無いの?』


…どういう意味…?





「…分かんないよ」


『琉依君って人の事は忘れるつもりだったんでしょ?

じゃあ琉依君が現れる前に、美羽の頭ん中一杯にしてたのは誰?』





……何…それ…

意味分かんないよ…



でも…でも……










『…壱君でしょ?』





……………。

何も言えないよ。






『美羽があんなに仲良く男と居る所、初めて見たよ!?

京司君とも仲良いけど…壱君は告白してくれたんだよね!?

それで美羽の中で変わった事無いの!?』







…変わった…事…



あたしの中で…
変わった事…

あたしの頭の中を…
一杯にした人…





それは………





琉依じゃない。






< 162 / 440 >

この作品をシェア

pagetop