恋愛心工事中。


京司は好き。
それは友達として。



でも、壱は…?





壱と居ると、苦しくなってくる。

壱が隣で笑ってるだけで心臓が暴れる。


ふと頭の中に壱がよぎる事がある。




それって…
それってさ……








『美羽が今思ってる事は、勘違いじゃないよ?』




…………っ。


分かったよ。
分かったよ……








『壱君が好き…なんでしょ?』

涙が溢れた。




有美があたしの頭にそっと手を乗せてナデナデしてくれた。






「っ、うぇえっ!!」

『よしよし♪』






長い間、恋をしなかったから分からなかったんだ。


男なんて大嫌い、と思っていたから…




けど、京司と壱は違うの…。

でも…京司と壱も違うの。




京司は友達。
大好きな友達…



じゃあ、壱は…?








『分かった?』

有美が念を押すように尋ねた。




「うっ…んっ…」



ボロボロ涙がとめどなく溢れて。

あたしは涙と鼻水まみれの顔。





『あーあ。
美人が台無し』

有美は笑った。





ありがとう。
有美、ありがとう。


あたし分かった。






恋は苦しいもの。

それを忘れていた。




恋をすると、その人の事で頭が一杯になるって事。





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