恋愛心工事中。
『琉依君は、諦めるっていうか…ケジメをつけるために美羽に告白したんじゃないかな?
モヤモヤしないで、言ったらスッキリすると思ったからだと思う…。
琉依君も告白した時にOKを貰えるなんて思ってなかったよ、きっと。』
確かにそうだと思った。
だってあんな久しぶりに再会したあたしに、本気で告白する訳無い。
きっと、琉依の中で罪悪感みたいなのがあったから…
あたしに謝って終わらせたかったんだと思う。
そしてあたしに告白して、過去を引きずらない事に決めたのかなぁ…
なんて、有美に言われて気付けた。
合っているかは分からないけど、琉依の事だから…
ケジメをつけたいと思ったに違いない。
あたしはカバンを肩にかけて教室を出ようとした。
『美羽』
背後から声。
「はい!?」
振り返ると。
『部活?』
久しぶりに見た壱の笑顔があった。
ドキン…
「う、ん」
言葉が詰まる。
『部活終わったら、公園来いよ?』
壱はそれだけ言ってあたしの頭を軽く叩くと、教室を出ていった。
壱に触れられた所が、熱い。
そっと触られた頭を手で触った。
温かく、大きな壱の手の熱さ。
自分でも驚くくらいに、顔に熱がのぼっていた。