恋愛心工事中。
「あ、瑠璃!」
『美羽!』
隣に並んで同時に同じ物を注文したのは瑠璃だった。
サラサラの長い黒髪が揺れていて、細い体に愛らしい顔。
瑠璃は男子のマドンナとも呼ばれているくらいだ。
声も高くて女の子らしくて。
それだけ瑠璃はモテるのに、性格は高飛車なんかじゃない。
そこが魅力。
だけど………
『ちょっと話したい事あるんだけど』
壱の事が好きっていう瑠璃は…
好きじゃない……
――
『美味しい~』
讃岐うどんに卵の黄身とネギ。
更に明太子。
ここの食堂の名物メニューだ。
「…うまぁ!」
瑠璃を向かい側にして食べる。
食堂は人が少なめなので、席はガラガラだった。
『やっぱり明太子入ってないとね♪』
そう言って麺をすする瑠璃は、女の子の中の女の子。
ほんわかしてて。
乙女って感じで。
ピンクや白や、
フリルやリボン。
甘いお菓子が似合いそうな…いや、絶対似合うな。
女のあたしから見ても可愛い。