恋愛心工事中。
あたしが瑠璃だったら、今更何言ってんだよ、とか思う。
だけど。
だけどね。
瑠璃に言わなきゃいけないから…
「壱が好きなの」
瑠璃の綺麗な瞳が、少し見開かれた。
…………っ。
『………』
瑠璃は目線を下にして泳がせた。
瑠璃は今、何を考えているのかな?
あたしが許せないって思ってる?
『そんなの…分かってた事だよ…』
瑠璃の瞳が、少し赤く潤んでいた。
それが目に焼き付いて、胸が痛む。
『黒崎君は美羽が好きって事は随分前から分かってた…
美羽は黒崎君を嫌ってたけど…いずれ好きになるって思ってたの…』
……………。
何も言えないよ…
『そしたら2人は両思いになって…幸せになるけど…
あたしは黒崎君が好きなのに…諦める事になるでしょ?』
瑠璃は顔を少し歪ませて言う。
『調理実習で黒崎君があたしの作ったの受け取ってくれた時は…本当に嬉しくなった…』
…そうだよね…
あんなに嬉しそうに笑ってた瑠璃。
『でもその後すぐに美羽んとこ行って、石橋君…だっけ?
石橋君に嫉妬してる黒崎君がいて…』
…………は?