恋愛心工事中。
瑠璃が弱々しく言ったら、あたしまで視界が揺れてきて。
「……うぅっ」
『美羽!?』
あたしまで泣けてきてしまった。
『何で美羽が泣いてんのよ…あたしが大泣きする所でしょうがーっ!!』
そう言ってワンワン泣き出す瑠璃。
「も、もらい泣きしたーっ!!!!」
『余計なお世話だってばぁーっ!!!』
2人して大泣きするので、周りの人は目を点にしてあたし達を見てきた。
おばちゃんが、どうしたの!?と言って、抜け出せない厨房から必死に顔を覗かせてくる。
『美羽のアホー!!
レズじゃなかったのかよぉ!!』
瑠璃は可愛い顔が涙でグシャグシャだ。
『負けちゃったよぉ…』
瑠璃は俯いて、小さく呟いた。
瑠璃が壱を諦めると覚悟した時、どんなに勇気がいっただろうか。
本当は諦めたくなんかないハズなのに。
あたしに譲りたくないハズなのに。
あたしと壱が両思いだからって、諦めたくないくせに。
告白して、付き合って、愛されたいと思ってるくせに。
瑠璃、
格好よすぎだよ。
強すぎだよ。
あたしにはできないよ、そんな勇気のいる事。
そしたら、あたしまで泣いてしまったんだよ……。