恋愛心工事中。


ちょっと、
くらいなら。

良いよね?



なんて勝手に決めつけた、あたし。






指をソロリとつむじへ近づけ……




…………た時。








ガシッッ

「ひょえっ!?」


バサッッ






「な!?壱!?」

わ、わ!?



『…………』

寝てんのかよ!?






あたしが壱のつむじに触ろうとした時、壱があたしの手をガシッと握り。


そのまま引っ張られ、今は壱の胸の中にいる訳で。






壁にもたれ、片膝を立てて座る壱の中にスッポリ収まっちゃった、あたし。



抱きしめられている訳でも無い。

手は握られたままだけど……




これってさ…
これってさ……





壱が座ってる所にあたしが乗ってきたみたいじゃん!?



心臓は破裂しそうなくらいで。

顔は熱くて。


汗がタラリと背中を伝わった。






み、み…身動きがとれない…!



あたしはドキドキと早い鼓動を抑えながら壱を見た。





ここで動いたら壱が起きる=あたしが乗っていたのが分かってしまう


ここでこのままだったら、後に壱が起きる=あたしが乗っていたのが分かってしまう




どっちにしても嫌!





こんがらがる頭と汗を抑えながら、必死に考える。



どーしよー!?!?!?






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