恋愛心工事中。
『…意外だな』
壱が口の端を上げてあたしを見た。
「…う、え…
な、何が……」
壱はあたしと繋いだ手を上げた。
『美羽って意外と積極的だったんだ?』
うぇえー!?!?
あたしが繋いだんじゃないから!!
「あの…」
『ん?』
壱…嬉しそう…
あたしが自分から繋いできた、と思っているから?
……………。
ちょっと嬉しい…
じゃんかよぉ。
「壱から手、繋いできたんだけど?」
あたしの言葉に首を傾げる壱。
『美羽からじゃねぇの?残念』
壱はそう言いつつも笑っている。
「な…何ニヤニヤしてんの…」
すると、壱はあたしの髪をかきあげてきた。
……………っ、
「何っ…」
『俺から繋いだにしたって』
壱はそっとあたしの目を捕らえた。
『美羽は俺の手、離さなかったじゃん』
クス、と笑った壱にドキドキする。
「離そうとしたけどアンタが起きたら変な風に思うかなって…」
絶対あたし、今顔が真っ赤だよ!!
『…訳わかんね』
壱が小さく、ポツンと呟いた。
「…………へ?」
聞き返すあたしに、微笑む壱。