恋愛心工事中。
『…じゃあ話すか』
壱は少し体勢を崩して、あたしを見た。
あたしは頷く。
………やっと。
やっと壱と琉依が何を話したのかが聞けるんだ…。
『美羽が走って行っちまった時…俺、美羽を追いかけようとしたんだ』
壱は思い出すように話していく。
『でも…琉依に引き止められた。
何かと思ったら…
琉依、美羽を幸せにしてやれ、って言ってきたんだ』
………琉依…
『琉依は、俺が美羽に惚れてんの知ってんだ。でも…』
壱は少し言葉に詰まりながらも続けた。
『琉依が美羽に気持ち伝えた、って言って…』
……………。
沈黙が流れた。
――俺、美羽の事好きみてぇ――
『俺…すんげぇ動揺しちゃって。かっこ悪ぃけど…琉依、真顔だったし』
自然と握り締めていた拳に、ジワリと汗がにじんだ。
『でも、琉依は…美羽の事をずっと引きずってきたみたいで…最低な事をした、って言ってて…』
頷くあたし。