恋愛心工事中。
「…何?」
『いや、何でも無い。』
黒崎は静かに笑って、教室を出て行った。
……何なのよ!?
゛俺、美羽の事…゛
あたしの事、何?
ドキドキが抑えられない。
顔は熱い。
…あたし、どうしちゃったの!?
おかしいよ、あたし…。
『美羽~』
「…へっ!?」
びっくりしたぁ。
有美か。
『どうして2人で勉強してなかったの!?』
……はあ。
「……あたしがしたくなかったから。」
あたしは有美の返事も聞かず、教室を飛び出した。
そして、トイレの個室に入った。
「……何…でっ…」
あたし、おかしいよ?
胸に広がるドキドキも、不安に似たような感情も。
……どうして?
あたしは個室を出て、洗面台の鏡を見た。
黒い長い髪を緩く巻いて、Yシャツに赤いリボン。
暗めの色のスカートに、紺のハイソックス。
……瑠璃は、凄く可愛い。
あたしと同じ格好をしているのに、凄く可愛い。
…変だよ、あたし。
どうしてこんな感情が出て来るの?
あたしは頬を軽くパチパチと叩いて、気合いを入れた。
……忘れよっ!!
あたしはトイレを出た。