恋愛心工事中。
『美羽は俺のせいで男嫌いになったんじゃって…不安で…』
琉依は微かに震えてみえる手でタバコを持った。
『美羽と別れて、神奈川の高校行って…けど、俺…何も手につかなかった』
琉依は、凝ったデザインのZippoを取り出して、タバコに火をつけた。
『美羽は俺の事を忘れてくれたら良いのにって…幸せになれって…思った。
けど、いつの日か…それは本心じゃないって気付いた』
ゆらりとタバコの煙りが揺れて目に染みる。
余計に視界が歪んだ。
『俺…勝手だけど…美羽がその時…まだ好きだった。諦めらんなくて。
でもそんな事思っても、もう美羽は居ない……だから…』