恋愛心工事中。
「あたしね……壱の事、好きなの…」
笑顔を作ってみせると、琉依は目を丸くしてあたしを見た。
『……壱を?』
琉依の驚いた口調に、頷いてみせた。
「確かに…琉依の事があってからは男嫌いになってた…トラウマだったの」
琉依は、眉間にシワを寄せていた。
「でも…壱とカラオケで会って…普通に話せてた時点で、何か違ってたのかもしれない」
壱は、第一印象が怖く…あんな甘えてくる奴だとはちっとも思わなかった。
「壱が転入してきた時…かなり驚いた…いきなりあたしの隣の席来るしさぁ」
涙が頬から鎖骨へ落ちていく。
そしてスカートに染み込んでいく涙。