恋愛心工事中。


玄関へと促される。





「…………」


あたしは、琉依の方を振り返って見上げた。





『美羽にまた会ったら、その時は壱と一緒に居ないと、許さねぇからな』



琉依は優しく、だけど少し寂しそうに笑った。





「…分かってる」



泣きすぎて鼻声のあたしを笑う琉依。





『俺も頑張る。
お前も頑張れよ?』



琉依の言葉は、強い。






「うんっ!!」


最後には、とびっきりの笑顔を見せて。




『なら、行け』



琉依は、玄関の扉を静かに開けた。





ローファーを履いたあたしは、足先を扉から覗く外へ向けると、もう一度琉依を見た。









『んだよ、早く行けよ』


呆れたように笑う琉依。





「……うん」





あたしのバカ。







< 259 / 440 >

この作品をシェア

pagetop