恋愛心工事中。
玄関へと促される。
「…………」
あたしは、琉依の方を振り返って見上げた。
『美羽にまた会ったら、その時は壱と一緒に居ないと、許さねぇからな』
琉依は優しく、だけど少し寂しそうに笑った。
「…分かってる」
泣きすぎて鼻声のあたしを笑う琉依。
『俺も頑張る。
お前も頑張れよ?』
琉依の言葉は、強い。
「うんっ!!」
最後には、とびっきりの笑顔を見せて。
『なら、行け』
琉依は、玄関の扉を静かに開けた。
ローファーを履いたあたしは、足先を扉から覗く外へ向けると、もう一度琉依を見た。
『んだよ、早く行けよ』
呆れたように笑う琉依。
「……うん」
あたしのバカ。