恋愛心工事中。
『水泳やって痩せたのかもな!嬉しいわ』
京司はそう言って、あたしに笑いかけた。
「そう…かもね」
あたしは京司に笑い返したが、心の中は不安でいっぱいだった。
ここのところ元気の無い京司…以前のような明るい京司の姿が無い。
「……………」
Tシャツを脱いだ京司がプールに入ろうとしている。
そういえば、最近、音緒さんと一緒に居る所見ないな。
というか、京司自体を、あまり見なくなった。
細い背中が、やっぱり何かあったに違いないという事を証明していた。
だけど、この間みたいにはぐらかされる気がして。
"何も無ぇよ"
京司はそう言って笑ってあたしの髪をボサボサに撫でそうだった。
あたしは何も言えずに、ただ京司の背中を見つめていた。
あたしはただ、
京司に"どうしたの?"と尋ねることが、
…怖かった、のかも……しれない……。