恋愛心工事中。


『美羽、美羽』



肩を誰かに揺らされ、あたしはゆっくり目を開けた。




そこには、有美が慌てたような顔であたしを覗き込んでいた。




「あ、おはよー」

『おはよーじゃないわ、笹崎さん?』



………………。



今、幻聴?





あたしは有美を見つめたまま、固まっていた。




『こっちを向きなさい、笹崎さん!!』


ビクゥウッッ!!!!!




ゆっくりと有美から目線をずらし、前へもっていくと…






『始業の挨拶をする時に寝ているなんてどういう神経してるのかしら?』



ひ………ッ(怖)





黒板の前で仁王立ちし、あたしを鬼のように睨みつけているのは……



あの、皆から"ス●夫母"とのあだ名で嫌われている、数学教師だった……







『さて笹崎さん?
居残り決定ね?』



………………。



そう言うと、ス●夫母、兼、鬼(数学教師です)は、



『授業を始めます!!
起立!!』




とキビキビと、あたしを睨みながら言ってきた。



さっ…………






最悪ーーッッ!!!!!






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