恋愛心工事中。
『で、黒崎君の事、早くしなきゃダメだよ?』
有美が小声であたしに言った。
「……うん…」
壱は今、あたしの所にいなくて、黒板の方で男子達と楽しそうに話している。
壱が男子達と居るところレアかも…。
あんな笑顔を、もうあたしに向けてくれないんだ、と思うと胸が痛い。
「どうしよう…」
それしか言えない。
『だよね……』
有美も一生懸命に考えてくれている。
しっかりしなきゃ。
「頑張ってみる」
壱に話しかけなきゃ、琉依との約束が報われないもん。
"お前は壱と付き合って、幸せになれ"
絶対に………
諦める事はしたくない。
『応援してるから!!』
有美は笑顔で言った。
……頑張ろう。
あの壱の笑顔を、
またあたしへ向けてくれるように。