恋愛心工事中。


キーンコーン
カーンコーン……



4時間目が終わり、お昼になった時。





………今しかないっ…!!





「い…『美羽ー!!』




…………なっ…。

何ぃい!?!!?





振り返ると、教室の扉のところに友達が居た。



何て運が悪いんだろう!?





『ちょっと来てー』

友達が急かす。




…………えっと…




チラッと壱を見ると、






「………っ、」


目が合った。









『早く行きなよ』






………………っ。



壱があたしに言った。






『待ってるし。
……………男が。』



………へ?
お、男?




困惑しながら、もう一度振り返ると、友達の後ろに大きな影が見えた。



……何だろう…




ドキドキしながら席をゆっくりと立ち上がって、あたしは歩き出した。




心の中は、辛くて辛くて泣いていた。





壱と話したい。

また笑顔が見たい。



壱に言いたい。



"好き"と。







だけど…だけど……








あんな冷たい目をされたら、言えないじゃない…。




胸が痛かった。







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