恋愛心工事中。


『俺こそ有難う。
折角の休み時間なのに呼び出してごめんね』


佐々木君の笑顔は、
どこか寂しそうで。



佐々木君の心の中。

苦しい?
辛い?



それでも佐々木君は、
前を見ている。




強いなぁ……
凄いや。





「ううん!
気にしないで」

『良かった』




佐々木君は、優しく笑い挨拶をした。

……そして、あたし達は別れた。





佐々木君は、真っ直ぐ。


人を一生懸命愛することを知っている。


優しく強い。






どうして…?




京司も琉依も、
有美も。

壱も………




あたしなんかより、
ずっと強い。


足元を見て立ち止まったとしても、必ず前へ進んでいく。





じゃあ
あたしは?




あたしは道を
行ったり来たり。


迷って迷って、
色んな所に行く。

その度に
誰かを傷つける。





その罪悪感で、
あたしが泣く。





あたしは、
弱くて脆い。






< 283 / 440 >

この作品をシェア

pagetop